定年後だから知りたい!掛け捨て型保険と貯蓄型保険の違いと選び方
定年後の保険見直しで知っておきたい、掛け捨てと貯蓄型の違い
定年退職を迎え、これからの人生を安心して過ごすために、保険の見直しを考える方は多いかもしれません。様々な種類の保険がある中で、「掛け捨て型保険」と「貯蓄型保険」という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
どちらが良い、悪いというものではなく、それぞれに特徴があります。ご自身の状況や今後のライフプランに合わせて、どちらのタイプが適しているのかを知ることは、賢い保険選びのために非常に重要です。
この記事では、掛け捨て型保険と貯蓄型保険の基本的な仕組み、それぞれのメリット・デメリット、そして定年世代の方が保険を選ぶ際に考慮すべきポイントを分かりやすく解説します。
掛け捨て型保険とは
掛け捨て型保険とは、支払った保険料が主に「保障」のために使われるタイプの保険です。病気や死亡など、もしものことが起こった場合に保険金や給付金が支払われますが、何も起こらずに保険期間が満了したり、途中で解約したりしても、基本的に満期保険金や解約返戻金はありません。
掛け捨て型保険の主な種類
- 定期保険: 一定期間の死亡保障に備える保険です。
- 医療保険: 病気やケガで入院・手術をした際の費用に備える保険です。
- がん保険: がんと診断されたり治療を受けたりした際に給付金が支払われる保険です。
掛け捨て型保険のメリット
- 保険料が比較的安い: 同じ保障内容であれば、貯蓄型保険に比べて保険料が抑えられています。これにより、必要な保障を手厚く準備しやすいという利点があります。
- 必要な保障を必要な期間だけ準備しやすい: 短期間だけ大きな保障が必要な場合など、目的に合わせて無駄なく加入しやすい特性があります。
掛け捨て型保険のデメリット
- 満期保険金や解約返戻金がない(またはごくわずか): 支払った保険料は戻ってこないため、「掛け捨て」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
貯蓄型保険とは
貯蓄型保険とは、保障機能に加えて、将来のための「貯蓄」や「資産形成」の機能も兼ね備えたタイプの保険です。支払った保険料の一部が積み立てられ、満期時に満期保険金が受け取れたり、途中で解約した場合でも解約返戻金が受け取れたりします。
貯蓄型保険の主な種類(定年世代に関わりの深いもの)
- 終身保険: 一生涯の死亡保障が続き、解約時には解約返戻金があります。老後の資産形成や相続対策として活用されることもあります。
- 養老保険: 一定期間の保障があり、満期時に死亡保険金と同額の満期保険金が受け取れる保険です。
貯蓄型保険のメリット
- 将来の資金準備ができる: 満期保険金や解約返戻金を老後の生活資金、医療費、介護費用などに充てることができます。
- 死亡保障と貯蓄を両立できる: 万が一の場合に備えつつ、計画的に資産形成を進められます。
貯蓄型保険のデメリット
- 保険料が比較的高い: 掛け捨て型保険に比べて、保険料は高くなる傾向があります。
- 途中で解約すると元本割れのリスクがある: 短い期間で解約した場合、支払った保険料の総額よりも解約返戻金が少なくなる可能性があります。
定年世代が掛け捨て型保険と貯蓄型保険を選ぶ際のポイント
定年後の保険選びでは、ご自身の状況をよく整理することが大切です。
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保障の必要性を考える:
- 現在、必要な保障は何かを考えましょう。公的な医療保険や介護保険でどの程度カバーできるのか、不足分はどれくらいかを確認します。
- 扶養している家族がいるか、必要な生活資金はどのくらいかなども考慮します。
- 過剰な保障は保険料の負担につながります。必要な保障を必要なだけ確保するという視点が重要です。
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将来の資金計画を考える:
- 老後の生活資金、医療費、介護費用など、今後必要になるであろう費用について考えます。
- 現在の貯蓄や退職金、年金などで、これらの費用をどの程度賄える見込みかを確認します。
- 保険でこれらの費用の一部を準備したい場合は、貯蓄型保険が選択肢となりますが、保険料負担と期待できる返戻率のバランスを慎重に検討する必要があります。
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保険料の負担能力を確認する:
- 定年後は現役時代よりも収入が減少することが一般的です。無理のない範囲で保険料を支払えるかをしっかり検討しましょう。
- 保険料が高すぎると、支払いが滞ったり、後で解約せざるを得なくなったりするリスクがあります。
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健康状態を考慮する:
- 現在の健康状態によっては、加入できる保険の種類が限られたり、保険料が割増しになったりすることがあります。
- 健康に不安がある方でも加入しやすいタイプの保険もありますので、確認してみましょう。
まとめ
掛け捨て型保険は、比較的安い保険料で大きな保障を得たい場合に適しています。万が一の備えを重視し、保険料負担を抑えたい方に向いていると言えます。
一方、貯蓄型保険は、保障と同時に将来の資金準備も行いたい場合に適しています。ただし、保険料負担は大きくなるため、保険料を支払い続けられるか、そして貯蓄目的であれば他の資産運用方法と比較してどうかなどを検討することが重要です。
どちらのタイプが良いかは、ご自身の健康状態、家族構成、保有資産、将来のライフプランなど、様々な要因によって異なります。まずはご自身の状況を整理し、「何のために保険に入るのか」「保険に何を求めるのか」を明確にすることから始めましょう。
保険選びに迷う場合は、専門的な知識を持つファイナンシャルプランナーや保険の専門家への相談も有効な選択肢の一つです。適切なアドバイスを得ながら、ご自身にとって最適な保険を見つけることをおすすめします。